新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍首相は記者会見を行った。
安倍首相「あと20日間、日本全体が一丸となって、このウイルスとの戦いを戦い抜いていく。皆さんの健康と命を守るため、あらゆる手段を尽くしていきたい」
大型連休が控えていることに触れ、「都市部から地方への人の流れが起きることは絶対に避けなければならない」と強調し、「大型連休に先立ち、観光施設の休業要請も必要となる」と述べた。
安倍首相は、緊急事態宣言の対象地域を全国に拡大したことについて、「最低7割、極力8割の接触を削減しないと、1日あたりの新規感染者数を減少に転じさせることはできない」と指摘し、国民に対し、医療現場の負担を減らすため、自身や愛する人を守るため外出を避け、できる限り人との接触を避けてほしいと呼びかけた。
安倍首相は、すべての国民に一律で現金10万円を給付することについて、「ウイルスとの戦いを乗り切るには、何よりも国民との一体感が大切だ」と説明し、現金給付の総額について、「6兆円から14兆円を上回る規模へ大幅に拡大する」と表明した。
安倍首相の会見のポイントを整理。
まずは、1人10万円の給付について方針転換が行われたことについて、安倍首相は「混乱を招いたことはわたしの責任。国民に心からおわびする」、そして、「もっと早く判断していれば」と謝罪した。
また、緊急事態宣言を全国に拡大したことについては、「最低7割、極力8割の接触を削減しないと新規感染を減少できない」と意義を強調した。
また、安倍首相は現在、交通機関の減便などは要請しないという考えを明らかにした。
さらに、一斉休校については「正しかったと思っている」と強調した。
都の感染者、ついに2500人超 「23区南西部」に集中なぜ?
16日で、感染者数が2,500人を超えた東京都。
よく見ると、感染者は世田谷区など、23区の南西部に集中している。
いったい、なぜなのか。
16日も149人の感染が新たに確認された、首都・東京。
その感染分布には、気になる特徴があった。
都が発表した最新の23区別感染者数を見てみると、多い順に、世田谷区の234人、新宿区の180人、続いて、港区の168人、さらに杉並区、品川区が、共に100人を超えている。
これを地図上にあてはめてみると、感染者の多い区は、23区の南西部に集中していることが明らかに。
いったいなぜ、感染者の居住地は、南西部に集中しているのか。
取材班はまず、感染者が最も多い世田谷区へ。
早速、住民たちに聞いてみると、「(世田谷区は)住んでる人が多いのかな」、「(感染者が多いのは)人口が多いからだと思う。通勤とかで、(ほかの区に)出ていき、また帰ってくる人が多いから」などといった声が。
今回の感染状況について、世田谷区長は、区内に海外への渡航者が多いことを指摘。
欧州で感染が拡大した3月には、帰国者の中から、まとまった感染者が出たと話している。
また、2番目に多かった新宿区には、立憲民主党を除籍された、あの夜遊び議員も訪れていた巨大歓楽街・歌舞伎町が。
“夜の街”での接触が感染者数を押し上げているとの見方が強まっている。
そして、3番目に感染者が多かったのが、六本木がある港区。
夜の街、繁華街というイメージ。
そして実は、新橋駅も港区。
サラリーマンの街というイメージだが、現在は、人は少ない状況。
新幹線の停車駅でもある品川駅も実は、港区にある。
人口は、23区で17番目ながら、通勤客を入れた昼間の人口は4倍にも膨れ上がることもあってか、区によると、先週からは経路不明者の感染が増えてきたという。
そして、閑静な住宅街が広がる杉並区の住民は、「都心に仕事で行かれる方も多いので、(都心で)感染して戻ってきて、感染者数が増えてしまうのかな」と話した。
同じく、100人を超える感染者が出ている品川区には、週末もにぎわう商店街などがあり、対策の強化が急がれている。
一方で、都内には島しょ部を除き、感染者ゼロの市町村が5つある。
そのうち、唯一の市が、福生市。
すでに感染者の出ている市に囲まれながら、今も感染ゼロの福生市とは…。
あまり日本では見られないお店が多いが、道路を挟んだ反対側には、アメリカ軍基地が広がっている。
実は、福生市の3分の1を横田基地が占めていて、その面積を除くと、都内では2番目に小さい市。
福生駅前の商店街だが、人通りは少ない。
街で「3密」について聞くと、「もともと、人がそんなにたくさん集まるようなところがないので」、「(3密になる場所は)そんなにないですね。(もともと福生市は?)ローカルな」などといった声が。
新型コロナと向き合う、首都・東京の各自治体。
それぞれの課題をふまえた対応が求められている。